2024 February ARTWORK

2月にお披露目した原画5点のご紹介です✧既存作品の購入をご希望の方はサイト上の[PARCHASE]ページをご確認ください。またその他の作品は肌芳Instagram投稿でもご覧いただけます。https://www.instagram.com/_____me.o


「メロウが鳴いて」

160mm×220mm ellipse canvas

Acryl on canvas

¥35,000(購入可)

随分と長い時間を遡り。

誰かが「全てのメロウは美しい海にいる」と、小さな秘密箱を作りました。

幼い眼はある日優しい嘘に気づき、夢泉の側で尾の姿を待ち続けましたが見ることはできず。

それから暫く経ち遂にうとうとと瞼を落とした刹那、「リン」と鳴いた何かがいました。

箱の秘密。夢の中にもメロウは住んでいたのです。

「鍵を見つけたら解くのは簡単ね」

目を擦りながら呟くと、知らぬ間に手の中にあった一枚の鱗がきらりと光りました。


「氷の楔」

200mm circle canvas

Acryl on canvas

¥36,000(購入可)

少し前のこと。楔打たれた一面の白銀は、今にも頬色を奪いそうな程にひんやりとして。

直ぐにここを離れることも考えましたが、触れた尻尾が凍てつきまだ留まるようにと話しかけて来ます。

そして唐突に弾け鳴った「ピシャン」という音。

割れた氷の間を覗いたその時、宝石のような鉱石を見つけました。

暫く経って。美しいその石を、わたしは「宝石」と名付けました。遠ざかることが惜しくなる理由と真実を作ったのです。


「秘密箱」

160mm×220mm ellipse canvas

Acryl on canvas

¥35,000

泉のすぐ側、夢と呼ばれる場所はとても過ごしやすい住処です。

いつも通りの時間に泉に顔を浸けると、目を擦りながら誰かを待つちいさなひとが見えました。

ここは秘密箱の世界で誰にも知られていないはず。

けれど確かに、そこに居る“ひと”はメロウを探している。と感じたのです。

そうしてわたしは「秘密箱の鍵は鱗。これをあげるからまたおいで」と伝え、続けて鍵に魔法をかけました。

ひとはきらりと光ったそれを見て、瞼を落とし眠りにつきます。


「煌びやかな地」

530mm×455mm rectangle canvas

Acryl on canvas

¥240,000(購入可)

煌びやかと呼ばれた地は、その輪郭を残しながら美しい白砂に囲まれています。

大きな音を立てるもの、ことは何もなく。

私と1匹の息づかいが静かな世界に溶け込んでいくようです。

深い瑠璃の境界を見つけて、そして淡く甘い空を泳いで、穏やかな翠は心を落ち着かせて。

いつかぱちんと覚めてしまうのかなと少し寂しい気持ちを抱え歩いていると、枯葉色の尾が「こっち」と言って走り始めました。

「僕と君にとって夜の夢が特別なのは、必ず朝が巡ってくるからだ」

気づけば踏みしめた白砂はふわふわの毛布に変わり、わたしはまた目を覚まします。

「わたしもそう思うよ、また夜に。」

片耳折れた立派な姿とその言葉を、私は夢の外でも覚えていました。


「果実と箱庭」

150mm circle canvas

Acryl on canvas

¥28,000(購入可)

風の拠り所などとも呼ばれたここは、果実と箱庭の楽園でした。

果実は問いました。

「“命あるもの”はまたこの地へ辿り着くのかな。」

箱庭は応えました。

「今も、四季の美しい花々が咲いている。あなたのような甘い花が実り続ける。」

日々風が新たな種を運び、箱庭は果実達と長い時を過ごしてきました。

枯れることのない存在として、また夜を跨いで。

ここが「星屑草の温室」と呼ばれるのは暫く先のお話。

0コメント

  • 1000 / 1000